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二十七 金魚 追記にて

受験終わったらサイトの方にもちゃんとあっぷします

日々の拍手になにかしらお返ししたくて。ところがどっこい夢でもなんでもないさかた百本しか書けないやい。ごめんなさあああい。勉強します。

027金魚
ぽちゃりと音がして金魚が跳ねた。ちりんと風鈴がなった。ミンミンと鳴くセミ。子どもたちの笑い声。世の中は夏休み真っ盛り、と言ったところだろうか。年中夏休みみたいな場所で昼間から寝転がっているとあらゆることがどうでもよくなる。人間として非常にまずい状態だとわかってはいる。なにせ動きの多さで言えば金魚にだって負けている。大負けだ。時が経って動かなくなれば、あいつはスナックお登勢の隣あたりに埋められるのだろうか。きんぎょのはか、と可愛らしい字で書かれた木の札でも立てるのだろうか。あのでぶで可愛げのない金魚は万事屋のヒロインがとったものだから。いや、正確に言えば圧倒的怪力でポイを破るどころか折る、金魚さえも潰すような勢いの彼女に代わって私がとったのだが、彼女のためにとったものだ。が、彼女の金魚であることに変わりはない。世話をしているのが彼女以外の三人だとしても、だ。その方が金魚の寿命を伸ばせると三人で判断した結果だ。ぽちゃん。ちゃぽん。ちりん。ミーンミン。からん、最後にグラスの氷が溶ける音がして、ただーいま、と万年夏休み場所提供者が帰ってきた。パチンコで勝ったのだろうか、どことなく上機嫌な声。それに比べて暑くてなにもやる気が起きないこの体。おかえり、と口元でこぼして重たいまぶたをおろした。水槽の前にぶちまけた金魚の餌を見て彼はなにをいうだろうか。

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